社長の役割(あくまでも私が考える4つのステージについて)
下記の矢印「↓↓」以下は、去年8月に配信させてもらったニュースレターのワンコーナーです。
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昨日、ある社長さんと話す中で、似た感じの話になりました。わたしもそう、その社長さんもそう。社長の役割ってやつは難しいですね。
一般の社長業も、行政書士の社長業も、全く同じだと思います。
もしかするとわたしと同じように悩んでいる方がおられるのではないか?
そう思い、参考まで、転記させていただきます。
↓↓ 去年8月のニュースレター「七転び、八起き。」から ↓↓
『社長の役割』
このコーナーでは、わたしが中小企業の経営者の端くれとして感じる
ことを書かせていただいています。
長文です…。
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わたしは普段、多くの起業家、経営者の皆さんと接しています。
起業・経営サポートに特化しているので、当然かもしれません。
その中で学んだこともこのコーナーでは加味しながら、書きたいと思います。
今回のタイトルは、「社長の役割」。
主に中小零細企業の場合の社長の役割です。
企業にはステージがあり、そのステージに沿った役割を果たさなければ、
規模と安定とが反比例してしまうというお話です。
途中、あちこちに話が飛んでしまいますが、ご了承ください。
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タイトルは生意気ながら、「行政書士経営マニュアル」。
※現在は販売を終了しています。
その中で、あることを書かせてもらいました。
行政書士にはステージがある、と。
すなわち、建築業界に「なぞらえて」・・・
1.職人
2.親方
3.社長
4.事業家
この4つのステージです。
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そもそも、行政書士は起業家?とお思いかもしれません。
自信をもってお答えできます。
「はい、起業家です!」。
依頼をいただいて、報酬をいただく。
報酬の中から経費を出して、運営してゆく…。
歩いていれば見つかるような仕事はありません。
資格は「足の裏についた米粒と同じで、取っても食えない」と言われますが、その通り。
起業家だと思います。
特にスタッフがいればなおさら、「会社経営そのもの」。
ちなみに、行政書士は資格を取っても食べてゆくのが大変。
5年前の統計になりますが、行政書士登録者の約75%は、
年商(売上のこと)500万円未満。
売上ですから、そこから経費を引くことになりますね。
通信費、光熱費、ガソリン代・・・厳しさは想像いただけるかと思います。
また競争の熾烈さたるや、首都圏、地方ともに、
「資格があるから食える」という時代は、とうの昔に去っています。
誰かが言っていました。
「資格があるから、食えないんだよ」。
深いな~と思ったりしております。
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話をもどします(^_^;)
ステージについて。
1.職人
2.親方
3.社長
4.事業家
ですね。
これって、行政書士に限ったものではなくて、ビジネス全般で
言えることだと思うのです。
特に「起業家、中小零細企業」で当てはまるのではないでしょうか。
建築業界になぞらえただけですから、どの業界でも酷似したステージ
というものがあると思っております。
代表者として、どんな呼ばれ方でも関係ありません。
事業を行う方はどれかに当てはまる可能性が高いと思うんです。
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それぞれの特徴です。
2の親方とは、「パートタイムの従業員を一人か二人か雇って事業運営する人」。
3の社長とは、「フルタイム従業員とパートタイム従業員の混在で、五人くらいまでの規模で運営する人」。
4の事業家とは、「フルタイム従業員とパートタイム従業員の混在で、五人以上の規模で運営する人」。
このお話、大企業は除きますよ。
あくまでも、中小零細企業においての話です。
それと大切なことなので触れさせてもらいますと・・・
4(事業家)がエライというわけでは、ありません。
一人の人間として「稼ぎ」でみると、1(職人)が一番だと思います。
または4(事業家)で突き抜けるか。
人間、向き不向きがありますよね。
不向きな生き方は、そう長くは続けられない。
つまり、あなたに何が向いているか?です。
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それぞれの「役割」について、考えてみましょう。
1.職人
自らの技量と人間力をもってほとんどを果たすので、現場オンリーです。
「雇用」という要素を考える必要がないので、とてもシンプルな体制となります。
2.親方
現場と、多少のマネジメントが発生してきます。
パートタイム従業員に「働いていただく」という要素が必要となってきますが、多くでトップダウンな体制となります。
3.社長
現場、マネジメント、そして経営。五人くらいを養う必要性から「経営」が出てきます。
多くで正社員の採用を行うことになります。安定のためには「人材育成」が必要になり始めます。
徐々に日々の細々(こまごま)とした決定の権限の移譲を考え始めなければなりません。
4.事業家
現場から完全に近い形で抜け「マネジメント」と「経営」をしなければなりません。
ここでいう経営とは、小さな組織であっても「組織を構築する」という作業、
そして「人材育成」なども入ってきます。
細々(こまごま)とした決定の権限を、誰かに譲ることが義務になる時期でもあります。
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このように、わたしは、起業家、中小零細企業では、ステージがあると考えます。
ステージごとに適切な役割もありますね。
そして、ステージごとの適切な役割を担わなければ、安定からどんどん離れてしまう。
起業家、中小零細企業は、資金が潤沢ではありませんので、
遠回りしていると廃業の危機が訪れるということになりますね。
ただすべての業種で、「こうあるべきだ」と規定したいとは思いません。
あくまでも、「こうあれば安定に近くなるのでは?」という感じです。
わたし自身が経験し、多くの経営者さんとの話でも、同じ考え方をする方が多かったものです。
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時折、ステージごとに担うべき役割を無視した、よい言い方をすれば、超越した経営をしている方がいらっしゃいます。
※高い割合で悪循環に至る方が多いので、以下、マイナスな書き方が多くなってしまいます。ご了承ください。
さて、
事業家ステージにある方が分かりやすいので、例として書かせてもらいます。
(事業家=フルタイム従業員とパートタイム従業員の混在で、五人以上の規模で運営する人)
・事業家ステージであるにもかかわらず、決裁権限のすべてを社長が握っている。
・スタッフを信頼できない。
・人づくりより、仕組みづくりに没頭する。社内の事務処理に没頭する方もおられます。
・スタッフを監督ではなく「監視」する、または全く逆で「放置」する。
・オフィス、事務所から外へ出ない、または出っぱなし。
・スタッフを標準物というか、仕事の品質を誰がやっても同じ水準に、過度に落とし込もうとしてしまう。
このような、いわゆる「トップダウン」な経営をしていますが、なぜか、仕事は入ってきます。
それは、社長の「外に対する」人間力、人脈により、短期的(数年間~5年間位)はお客様から頼られるからです。
外目からは一定程度やり手に見えますので、雑誌、経済誌などに取り上げられ、本人と周辺の方は錯覚してしまいます。
あの人はすごいな~と。(あくまでも、外からそう見える)
でも、ほとんどの場合、仕事の品質が顧客の期待値を下回ります。
顧客はそれに気付き始め、徐々に離れてゆきます。
顧客が離れているのを、不思議と社長は気づきません。
仕組みづくり、監視、事務処理などに没頭しているからです。
客観視ができません。
最終的には、危機に陥っても、乗り切るだけの人材を育成していません。
最悪、廃業か休眠という選択肢しか残らないことになります。
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・・・どうお思いになりましたか?
お気づきになった方がおられるかもしれません。
この事例は、昔、わたしがやってしまったことです。
廃業という事態以外は、ほぼ、わたしのことと言ってよいです。
今回、ネタみたいに書いていますが、その時は、一生懸命。
何とかしようと死にもの狂い。(ちなみに今でも、死にもの狂い。)
わたしの場合、幸運なことに、廃業寸前でスタッフに助けてもらいました。
そう、運がよかった。
いま、わたしは「社内の環境づくり、体制構築」を、社員行政書士
(=会社でいうところの取締役)にお任せしています。
※あえて「お」をつけました。
社「内」全般のことと言っていいと思います。
スタッフから、役員になってもらった人。
そして、その行動をガン見しながら、学んでいます。
「こうやってやるのか~」
「うまい!」
学びの毎日です。
頭が上がりません*1
失敗しながらも一生懸命やっている姿そのものも、学びです。
わたしの歴史そのものを教訓にしながら、本当によくやってくれています。
ところでわたしは何をやっているのか?
「ご相談対応」
「経営者がやるべき決裁」
「会社の方向性を定める」
「マーケティング」を担当しています。
それから
「資金調達」も、わたしの仕事。
人間、向き不向きがあるのですね。
中でも、わたしは特に、
人とお会いすること、そしてマーケティングが好きだったようです。
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自分がやってしまったから、なんとなくわかります。
現在進行形でやってしまっている社長が多いということ。
社長自身は気づいていないことが多いので、社長から聞くことは少ないです。
「会社のナンバー2」の方からお聞きするケースが多い。
そのたび、
「そう、そう、そう!」
「分かる!分かる!」。
まあ何せ、わたしが辿った道ですから(^_^;)
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これから、どんな壁が立ちはだかるんでしょうか。
想像もつきません。
いまの形が正解なのでしょうか。
それもわかりません。
心が折れてしまわないように、
でも適度な緊張感をもって、頑張りたいなと思います。
↑↑ 転記 終わり ↑↑
最後までお読みいただいたあなた。
本当にありがとうございます。
さて今日も無理せず、乗り切りましょう!
投稿者:崎田 和伸
*1:+_+